RECORDING KING RPI-626-C
戻る 東京都にお住まいのM.K.さんからRECORDING KING RPI-626-Cのリペアご依頼をいただき、ピッチずれが見られましたのでブリッジ交換(新規作製)を含むトータルリペアを行いました。M.K.さんからはこれまでGibson J-100、Furch G23CRCT、Taylor GSのリペアご依頼をいただいており、今回で4本目のリペアとなります。また、後日Waterllo WL-14 XTRのリペアご依頼をいただきました。M.K.さん、いつもありがとうございます!リペア後のギターを受け取られて、とても温かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 樋口様
先週火曜日にギターは届きました。
今回も丁寧なリペアをして頂き、どうも有難うございました。
このRecording King ギターの個性が良く発揮された音が出るようになったと思います。
すぐに連絡しようかと思ったのですが、実は若干の不具合があったので様子を見ていました。
火曜夜に届いたギターを弾いた所、1弦の4フレットと7フレットの音はピッキンングした後にすぐ音が減衰する「音の詰まり」があっいたので、一度送り直そうかと思いました。
しかし翌日に弾いてみると、4フレットの音の詰まりが殆ど解消していたので、7フレットも様子を見ようと考えました。
そして四日後の金曜日には、7フレットの不具合も解消しました。
昨日土曜、今日の日曜も全く問題ありません。
私は弾いた後に弦を緩めないので、ネックが微妙に起きた事で「音の詰まり」が消えたのだと思います。
2015年にリペアして頂いたGibson J-100 / Furch G23CRCT もリペアの3,4ヶ月後にトラスロッドを回して調整しています。 Furch はその後良いバランスを保っていますが、Gibson は今夏にもう一度少しだけ回しました。 Taylor GS はりぺア後に一度もトラスロッドを触っていませんが良い状態を保っています。
弾いた後は弦を緩める方もいますが、一度緩めると次に弾く時弦を張る事となり、弾き始めの段階でチューニングが安定しません。それで何度も調弦するのが面倒なので張りっぱなしにしています。張りっぱなしだと、弾き始めに一度調弦すると暫くは狂いを感じません。
オデッセイでリペアして頂いたギターに関しては、ほぼ毎日弾いていますので、張りっぱなしで良いと思っています。 しかし私も普段弾いてないギターは弦を緩めています。
今回リペアして頂いたRecording King のギターは、12フレットcut away の安いギターを捜して購入したのですが、店頭販売が無いギター故に通販でしたので、購入前に細かい事は確認出来ませんでした。 ナットとサドルの調整は購入以前からオデッセイに多分お願いしようと考えていましたが、サドル位置の変更によるブリッジ交換までは予測していませんでした。 通販とは言えメーカーの方でもう少し配慮してギターを生産して欲しかったです。まあ試奏してないので仕方がありません。
とにかく、今はリペアして頂いて、大変気持ち良く弾けるギターとなりました。
私にとって、このギターは他のギターよりも若干調弦の難しく感じる音質ですが、その分だけ他とは違う鳴り方を楽しめるように思います。
どうも有難うございました。
またの機会にも宜しくお願い致します。
M.K.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
1弦の音詰まりの件、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
このギターの演奏スタイルはおそらくフィンガーピッキングに特化されたものであろうと限界まで弦高を下げさせていただいたき、仰るとおり、弦のテンションによってネックが若干起き上がる(順反りになる)ことによって音詰まりが解消されたと考えております。
またこのギターはトップ板が標準よりも若干薄い部材を使用されているようですので、トップの膨らみによる効果も一因しているのではないかと思います。
いずれにしましても、まだ若い部材のギターであり、今後もネックが季節の湿度温度変化により微動することが予想されますので、ロッド調整が必要になる可能性があると思いますが、弊工房でもフォローは行わせていただきますので、その際は仰ってください。
リペア後のギターは小ぶりながらボリューム・サステインともに大きい特性を持っていると感じました。
これからもRecordingKingがM.K.さんの傍らで活躍することをお祈りしております。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。