Takamine PT-106S
戻る 群馬県にお住まいのT.T.さんからTakamine PT-106Sのリペアご依頼をいただき、フレット交換、ブリッジプレート・リペアを含むトータル・リペアを行いました。リペア後のギターを受け取られて、T.T.さんからとても温かいメッセージが届きました。
樋口様
大変お世話になりました。
昨日届きまして、帰宅してから3時間程弾いてみました。
ケースを開けて久し振りに見るタカミネは、フレットがピカピカと光っていて、ボディーの艶も40年前に戻ったかというくらい綺麗でビックリしました。
このギター、初期の頃から25年程は、音叉を使ってハーモニクスで調律していましたが、それを過ぎてからは音がブレて合わず、チューナーに頼るようになり、この何年間かはそれでもダメでペグをしっかりしたものに変えてやってきました。が、それでも今一つでした。
それが、今回久しぶりに音叉を使ってやったところ、ピタっと音が共鳴して何十年かぶりの感覚を味わいました。
音も、サドルがこんなに低くなったにも関わらず、全くビビリも無く、一音一音がハッキリして音圧が以前とは比べられないくらい上がっています。
とにかく綺麗な音を奏でるギターになりました。
あとは、暫く半眠り状態だったこのギターを毎日少しづつでも弾いてあげて、ポテンシャルを引き出してあげたいと思っています。
また、追加でお願いしたピックアップも、音を出すのがとても楽しみです。以前の音の出方がまだ頭や耳の中に残っているので、それと比べたいですね。
来年早々にアンプを買う予定ですので、ボディーを少し鍛えてあげておきたいと思います。
最後に、
同封されていたお手紙を拝見して、樋口様のギターとお客さまに向き合う姿勢に感心させられました。暖かいお心に触れさせていただき、誠にありがとうございました。
何年も前から、オデッセイさんでギターを治してもらいたいと思っていた「夢」がやっと叶い、とても幸せな気持ちです。
蘇ったこのタカミネPT-106Sと、生涯連れ添いたいと思っています。
本当にお世話になりました。
樋口様も、かなりのご多忙状態だと思いますが、お身体だけは十分にお気を付けになってくださいね。全国のオデッセイファンの方の為にも。
群馬県 T.T.
ps.
ブログの方に掲載して頂き、ありがとうございました。
今までもこういった工程を見ていましたが、自分のギターだと思うと、今までの何倍もの時間をかけ集中して見ている自分に笑ってしまいました。
もう、本気でした!
こうした工程が見られるのは本当に素晴らしく、ありがたい事です。
でも、撮影しながらのお仕事は大変ですよね。凄い事です!
それでは、また何かの時には相談をさせてください。
それでは失礼します。
T.T.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
Takamine社のギターはエレアコとしての機能は周知なのですが、今回アコースティックギターとしてリペアさせていただいて、その生音の良さに大変驚きました。
仰るとおり、リペア後のギターは演奏性、音響特性ともに箱鳴り感も含めたビンテージ・サウンドを奏でてくれるようになりました。
また、この度Takamineの初期モデルをリペアさせていただいて、当初からのコンセプトが現在まで引き継がれているんだと言うことを、今回改めて学ぶことが出来ました。
ただ、ピックアップ、プリアンプは時代とともに進化しており、物理的、電気的な制約もあり、最新のTakamineのピックアップシステムに載せ替えることは技術的に叶わなかったことは残念です。
いずれにしましても、リペア後のギターに大変ご満足いただけて、私もとても嬉しい気持ちでいっぱいです。
潜在能力を取り戻したPT-106Sと一緒に、これからも素敵なギターライフをお送りください。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。