ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Miguel Santos

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Miguel Santos
香川県にお住まいのS.M.さんからMiguel Santosのリペアご依頼をいただき、フレットすりあわせと弦周りのTUSQ化、トップ板クラックリペアを行いました。

フレットすりあわせ

1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。
2.ボディもアクリル板でカバーしました。

3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。
4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。

5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。
6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。

7.さらにスチールウールで研磨を進めます。
8.最後はコンパウンドで磨き上げます。

9.プロテクタ類を外しましょう。
10.ピカピカのフレットになりました。

ナット交換

1.オリジナルナットです。
2.ナットはすでに外れていました。

3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。
6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。
10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。

11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
14.ナット上部を切り取りました。

15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
16.ナットらしくなってきました。

17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
20.弦高調整前のナットです。

21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

23.ナット高調整前の弦溝です。
24.弦高調整後のナット弦溝です。

25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。

ピッチ調整~サドル作製

3.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
4.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。

5.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。
6.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。

7.目標サドル高をサドルに書き込んでいきます。
8.サドル高の切り出しを終えました。

11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
12.完成したブリッジとサドルです。

トップ板クラック補修

1.トップ板下部分です。
2.ブリッジ横付近にクラックがみられます。

3.ボディ内部の様子です。
4.内部には大きなクラックは見られませんが、薄くシミがみられます。

5.ボディ内部からパッチ材を接着します。
6.ブリッジ上側のボディ内にも接着します。

7.パッチ材が固着するのを待ちます。
8.表面はシェラックニスで簡易補修します。

9.薄くのばしながらニスを塗っていきます。
10.完全には塗装クラックは消せませんでしたが、目立たない程度になりました。

ペグ交換

1.オリジナル・ペグです。
2.ペグノブが割れており、接着しましたが強度が補完できませんので、ペグ交換を行います。

3.新しいペグを取り付けます。
4.ねじで固定します。

5.交換完了です。
6.スムーズにチューニングができるようになりました。