ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Chai No.10

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Chai No.10
福岡県にお住まいのM.D.さんからGUILD D44Mと茶位ガットギターNo.10のリペアご依頼をいただきました。茶位ガットギターNo.10は塗装タッチアップとナット、サドル交換を行いました。

塗装タッチアップ

1.リペア前のネックヒール部です。
2.サイドとの接合部塗装が白変しています。

3.薄めのラッカーを白変部に塗っていきます。
4.乾燥後、数回重ねていきます。

5.タッチアップ後のネックヒール部です。
6.白変はほとんど目立たなくなりました。

ナット交換

1. オリジナルナットです。
2.当て木を当ててコンとたたいて外します。

3. ナットを取り外したナット溝です。
4.ナット溝のクリーニングを行います。ナット溝に残った不要物を削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。ナットが溝と直接触れることによってギターの音色の改善が期待できます。
6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。
10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。

11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
14.ナット上部を切り取りました。

15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
16.ナットらしくなってきました。

17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
20.弦高調整前のナットです。

21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

23.ナット高調整前の弦溝です。
24.弦高調整後のナット弦溝です。

25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。

サドル作製

1.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。
2.目標サドル高を書き写していきます。

3.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
4.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。

5.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します
6.サドル高をサドルに書き込んでいきます。

7.サドル高の切り出しを終えました。
8.完成したサドルです。