ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

K.Yairi NS-200

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岡山県にお住まいのM.O.さんからS.Yairi YD-306, TACOMA DM28C, Gibson MK35, K.Yairi NS-200 の4本のギターリペアご依頼をいただきました。
K.Yairi NS-200はナット・サドル交換(牛骨)行いました。
リペア後のギターを受け取られてM.O.さんから暖かいメッセージが届きました。

この度はお世話になりました。
お陰様でどのギターも弾き易くなりました。

また、四半世紀を経たギター達が素晴しい音を出してくれるようになり嬉しい限りです。
中でも手を付けようか迷っていたK.Yairiですが、音質もクリアになり思い切ってお願いして良かったと思っています。『良く鳴っているんだけど・・・』というモヤモヤした部分が解消されました。

有り難うございました。

M.O.さん、今回は4本ものギターリペアご依頼をいただき、また早速の暖かいメッセージを頂戴し、誠にありがとうございました。
いずれのギターもフレッティング(交換、すりあわせ)を行うことで、オリジナル状態で潜在していたビビリを解消し、 さらに弦高低下を図ることが出来て、演奏性も向上したと思います。
また経年消耗が見られた弦周りパーツ(ナット・サドル)を新調して、「隙間のない」音色に変身出来たかと思います。

これからも素晴らしいギター達と素敵なギターライフを送って下さい。

この度は弊工房にギターリペアのご依頼をいただき、 本当にありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。


ナット交換

1. オリジナルナットです。
2.当て木を当てて、軽くコンとたたいてナットを取り外します。

3.ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が残っています。
4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。
6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。
10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。

11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れました。
14.ナット上部をカットしました。

15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
16.ナットらしくなってきました。

17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
20.弦高調整前のナットです。

21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

23.ナット高調整前の弦溝です。
24.弦高調整後のナット弦溝です。

25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。
26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。


ピッチ調整~サドル作製

1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。

3.サドルピーク位置を書き写しておきます。
4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。

5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。

7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。

9.サドル高の切り出しを終えました。
10.サドル上部にピーク位置を書き写します。

11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。

13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。
14.ブリッジピン穴加工を終えました。

15.サドルを取り付けました。
16.完成したオフセットサドルとブリッジです。