ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

BugsGear DR50-TWC

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宮城県にお住まいのT.O.さんからMartin D-35, Martin MC-28に続いて3本目のギター・リペアご依頼をいただきました。
インレイが素晴らしいBugsGear DR50-TWCです。弦周りのTUSQ化とピックガードの交換を行いました。

ナット交換

1.ナットに当て木を当てて軽くコンとたたきます。
2.ナットが外れました。

3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。
4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。
6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。
10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。

11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせて上部をカットしました。
14.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。

15.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)
16.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

17.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
18.弦高調整前のナットです。

19.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
20.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

21.6弦のナット高をギリギリまで下げました。
22.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。


ピックガード交換

1.オリジナルピックガード下にナイフを差し込んでいきます。
2.ボディを傷つけないように、ナイフはピックガード側に触れるように動かします。

3.オリジナルピックガードが外れました。
4.ボディ側に粘着材が残っています。

5.粘着材を除去しました。
6.TOR-TIS素材をオリジナルよりも少し大きめに切り出しました(右側は型紙です)

7.型紙をTOR-TIS素材に貼り付けて、はみ出た部分をヤスリで削っていきます。
8.TOR-TISは常温ではもろく、割れやすいので、慎重にゆっくりと削っていきます。

9.両面接着シートを新しいピックガードの裏側に貼り付けて、はみ出た部分をカッターで切り取っていきます。
10.新しいピックガード装着完了です。


ピッチ調整~サドル作製

1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。

3.サドルピーク位置を書き写しておきます。
4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。

5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。

7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。

9.サドル高の切り出しを終えました。
10.サドル上部にピーク位置を書き写します。

11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。

13.糸鋸加工が終わったブリッジ・ピン穴です。
14.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。

15.ブリッジピン穴加工を終えました。
16.完成したオフセットサドルとブリッジです。