ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Martin D-28

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京都府にお住まいのJ.M.さんからHEADWAY HD-313に続いてMartin D-28のリペアご依頼をいただきました。
弦周りのTUSQ化を行いました。リペア後のギターを受け取られて、J.M.さんから暖かいメッセージをいただきました。

昨日 D-28が届きました。
古い弦のまま弾いてみると前より明るい音になっていました。
ラスゲアードでジャラララーンと弾くと中高音がくっきりとしています。
またヘッドのキズも予想以上にキレイになっていて驚きました。
本当にありがとうございました。
そんなに高価なギターではないですがこうしてリペアしていくと、ますます愛着がわいてきます。
すでに2人の子供に予約済みのギターですが、胸をはって引き渡すことができそうです^^
ありがとうございました。

J.M.さん、とても暖かいメッセージをいただき、ありがとうございました。

お父さんの大切なギターがお子さん達に弾かれ続けていくと言うことは、本当に素晴らしいことだと思います。ギターにとっても最高の幸せなことだと思います。
J.M.さんファミリーのギターライフが充実されることを心よりお祈りしております。

この度は弊工房にギターリペアのご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い致します。


ナット交換

1.当て木を当ててコンとたたくと・・・
2.ナットが取り外せました。

3.ナット溝をクリーニングしましょう。
4.古い接着剤の跡を削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。
6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。
8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。
10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。

11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
14.ナット上部を切り取りました。

15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。
16.ナットらしくなってきました。

17.オリジナルナットから弦溝位置を読みとります。
18.弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。
20.弦高調整前のナットです。

21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。
22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

23.1弦のナット高をギリギリまで下げました。
24.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。


ピッチ調整~サドル作製

1.ブリッジにイントネーター、サウンドホールにチューナーを取り付けました。
2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。

3.サドルピーク位置と目標弦高を書き写しておきます。
4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。

5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。
6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。

7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。
8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。

9.サドル高のの切り出しを終えました。
10.サドル上部にピーク位置を書き写します。

11.サドルピーク位置を削りだしていきます。
12.ブリッジピン穴加工を行います。まず糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。

13.糸鋸加工を終えたブリッジピン穴です。
14.さらにミニルーターで弦の導出角度を付けていきます。

15.ブリッジピン穴加工を終えました。
16.完成したオフセットサドルとブリッジです。


ヘッド部傷の除去

1.オリジナルのヘッド部です(ナットもオリジナル状態です)。J.M.さんがナットにヤスリがけをした時に傷をつけたそうです。
2.水研磨、コンパウンドで傷の除去を行いました。