ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Martin D-41

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兵庫県のお住まいのJ.H.さんからMartin D-41のリペアご依頼を頂き、弦周りのTUSQ化を行いました。
リペア後のギターを受け取られて、早速J.H.さんから暖かいメッセージを頂きました。J.H.さん、ありがとうございました。

リペアをしていただき、ありがとうございました。

リペア前に新しい弦でマイク録音しておりましたので、早速ギターを家に持ち帰り、リペア後の音も同条件で録音しました。
聞き比べると「うわぁ~!」って、思わず口から出るほど素晴らしい音になって、生まれ変わってきました。
(演奏は横に置いて、音のみの感想です。録音って恐ろし~い!。第三者的に冷静に聞くことができますから・・・)
ピック奏法の音は当然良かったのですが、特にリペア後のアルペジオの音(高中低音)が、バランスよく澄んでいました。

このリペア後のギター音を聞いて、「一生懸命練習し、ギターに負けない演奏技術を習得しなければ・・・」とギターを始めた頃の(約30年前)気持ちになりました。

前回のリペアの際にも思っておりましたが、改めて樋口様にお願いしてよかったな~って思っております。
本当にありがとうございました。

J.H.さん、とても暖かいお言葉を頂き、本当にありがとうございました。
リペア前後に録音されていたとは・・・全く存じ上げておりませんでした(笑)。それにしても今回のD-41の激変ぶりには私も驚きました。
J.H.さんとD-41の今後のご活躍を心よりお祈りしております。
この度は弊工房にリペアのご依頼を頂き、誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い致します。


ナット作製

1.ナット溝が深いため、ナットをカットして取り外します。
2.カットし終えたナットです。牛骨のにおいが強烈です!(笑)

3.当て木を当てて軽くコンとたたきます。
4.ナットが取れました。

5. 薄く残った古い接着剤を削り取っていきます。
6.古いナットの破片も削り取っていきます。

7.ナット溝がきれいになりました。
8.ネックの幅に合わせてナットスラブを切り出します。

9.ネックとフィンガーボードの接触面の平面を削りだしていきます。
10.ナット位置にピッタリはまるように加工しました。

11.1弦側からもナットの接触状態を確認します。
12.逆光を使うとわずかな隙間も見つけることができます。

13.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。
14.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

15.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。
16.少し高めにカットしました。

17.ヘッド側の傾斜を削り込んでいきます。
18.オリジナル・ナットの弦溝幅を専用の定規で読みとります。

19.読みとった弦溝幅を新しいナットに書き込んでいきます。
20.弦溝加工専用のヤスリで溝を掘り込んでいきます。

21.弦高調整前のナットができあがりました。
22.弦を張って弦高調整を行います。この写真は6弦の調整を行っている様子です。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。

23.ストリングリフターで弦を待避させておきます。このジグのおかげで弦を緩めたり張ったりすることが必要なくなりました。
24.ナットの弦溝を徐々に掘り下げていきます。削っては隙間を確認し、の繰り返しを行います。

25.ギリギリのところで止めておきます。この要領で他の弦もナット高の調整を行います。
26.弦高調整後のナットです。


サドル作製

1.イントネーターとチューナを取り付けました。
2.サドルの山位置を調整しながら全てのフレットのピッチを確認していきます。

3.イントネータのサドル山位置と、目標弦高が確定しましたので、紙に記録しておきます。
4.ブリッジピン穴加工を行います。まず糸鋸の刃で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。

5.糸鋸加工を終えたブリッジピン穴です。
6.引き続いてミニルーターで溝の導出角度をつけていきます。

7.ブリッジピン穴加工完了です。
8.サドルスラブを溝の長さに合わせて切ります。

9.サドルの厚みと、底面の平面をフラットファイルで削りだしていきます。
10.目標サドル高をスラブに書き込みカットしました。

11.サドルの山位置を書き写していきます。
12.さらにサドル山を削りだしていきます。

13.オフセットサドルの完成です。
14.弦を張って弦高調整を行いました。


ストラップピン取り付け

1.ストラップピンとフェルトです。
2.フェルトをストラップピンの底面にあわせて丸く切ります。

3.更に中央に穴を開けておきます。
4.ドーナッツ型にフェルトを加工しました。

5.ピンにフェルトを接着しました。
6.ネックヒール部にドリルで穴を開けます。

7.ネジ穴を開けたネックです。
8.フェルトをサンドイッチにしてストラップピンを取り付けました。