Takamine PT-530(ST) 戻る 兵庫県にお住まいのH.M.さんからTakamineのカスタムギターリペアのご依頼をいただきました。 ヘッド部のインレイがとても印象的なギターです。弦周りのTUSQ化を行いました(ブリッジピンはH.M.さんがご自身で交換されたブラスを使用しました)
ナット溝クリーニング~ナット交換 1. ナットを外しました。比較的きれいなナット溝です。ほとんど接着剤やゴミは見あたりません。 2. 薄く残っている接着剤を削り取っていきます。 3.クリーニングが終わったナット溝です。(ヘッド部のインレイの反射光でデジカメのホワイトバランスがおかしくなってしまいました。すいません) 4.ナットスラブをネック幅に合わせて切り出します。 5.ナット溝にピッタリはまったナットです。 6.ナット加工を始める前に、この段階でナット溝に密着していることを確認しておきましょう。(いい音になるポイントです!) 7.逆光を利用するとわずかな隙間も見つけることができます。隙間がなくなるまでナット底面・側面を調整していきます。 8.フィンガーボード側からも密着を確認したあと、フレット高にあわせてケガキ線を入れます。 9.ナット上部をカットしました。 10.ヘッド側の放物曲面を削りだしていきます。弦の接触面積とペグからの突入角度をイメージしながら削り出します。 11.ヘッド側の加工が終わりました。ナットらしくなってきました。 12.オリジナルサドルから弦溝ピッチを読みとっていきます。弦溝加工専用の定規を使っています。(低音弦になるほど弦溝間隔が広くなっています) 13.読みとった弦溝位置を新しいナットにマーキングしていきます。 14.弦溝専用のヤスリで掘っていきます。ヤスリの幅は弦ごとに違っており、使用する弦のゲージで決定します。 15.弦溝を掘り終えました。弦高調整前のナットです。 16.弦高調整を行います。5弦を調整します。2フレットを指で押さえて、1フレットと弦がぎりぎりまで近づくようにナット高を調整します。 17.ストリングリフターというジグで弦を待避しておきます。 18.弦溝専用ヤスリで少しずつ溝を深く掘っていきます。このときも弦とナットの接触イメージをしながら作業を進めます。 19.もう少し、というところで止めておきます。 20.ナットを溝に接着した後、最終調整してナットの完成です。
サドル作製~ブリッジピン穴加工 1. Takamine独自の分離型サドルです。各々サドル溝に合わせて切り出します。 2. ナットスラブを切り出しました。 3. 目標弦高から少し高めにケガキ線を入れます。 4. サドル上部を切り取りました。 5. サドル上面の傾きをつけていきます。 6. サドル作製が終了しました。引き続きブリッジピン穴加工を行いましょう。 7. 糸鋸の刃でピン穴の弦導出口をサドル側へ移動します。 8. 弦溝がサドル側へよりました。 9.糸鋸の溝をミニルーターで広げながら弦の導出角度をつけていきます。 10.ブリッジピン穴加工が完了したブリッジです。 11.弦高調整完了したサドルです。