ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

YAMAHA FG-252

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兵庫県明石市にお住まいのY.M.さんからのリペアご依頼をいただきました。

オリジナルの症状は、サドル割れによるビビり、および高い弦高です。

今回のリペアでは、弦周りのTUSQ化と弦高調整を行いました。その結果、枯れた素材のボディ・ネックからの「箱鳴り」を蘇らせることが出来ました。

時代を経てきたギターの潜在能力を再確認しました。

現状確認~ナット溝クリーニング

1. リペア前のブリッジ付近です。
2. 弦をはずしました。サドル弦位置が溝になっており、ブリッジも弦の振動ですり減っています。

3.. ナットは既に外れていました。
4.ナット溝クリーニングの完了です!

1. TUSQナット・スラブをフラットファイルで削っていきます。
2. ナット位置に隙間なく、フィットするよう徐々に削っていきます。

3. フィットしたナットに上面切り出しケガキ線を入れます。
4.ケガキ線に従って切り取りました。

5. 左右の幅もそろえ、ヘッド側の放物曲面を削り込みました。
6. 弦溝位置にマーキングを入れていきます。

7. 弦溝位置マーキングに弦溝を彫り込みます。

ブリッジピン穴加工~サドル作製

1. オリジナルのブリッジです。
2. 糸鋸の刃で弦の導出口をサドル側へ寄せるように削っていきます。

3. 糸鋸での加工後のブリッジです。
4.4. ミニルーターで糸鋸で掘った溝を広げていきます。また、緩やかな曲線を描いて弦が導出されるように加工していきます。

5.ルーターでの加工後のブリッジです。
6.TUSQサドル・スラブを切り出し、厚みを調整していきます。

7.サドル溝にピッタリはまるようになりました。
8.サドル山を整形し、弦高調整前のサドル完成です。

弦高調整

1.治具を使って弦を持ち上げます(ストリングリフターといいます)
2. ナットの弦高を徐々に調整していきます。特にローフレットでのプレイヤビリティ(演奏性)に影響しますが、下げすぎるとビビります。

3.弦高調整を完了したナットです。
4.サドルの高さも調整しました。これで完成です。