ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

YAMAHA FG-500

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神戸市にお住まいのK.N.さんからリペアご依頼を受けました。かなり年季が入っており、トップ板には比較的大きなクラック(割れ)が入っていました。
工房にお持ちになった際は、とても「悲しげ」な音でしたが、弦周りパーツはTUSQ化することで、リペア後は「堂々とした」迫力ある音を奏でるギターに変身することができました。
この時代のギター部材はやはりとても贅沢なものを使用していますので、少し手を加えるだけで、オリジナル以上の枯れたビンテージ音を出すことができます。
【リペア後、K.N.さんからピックアップ取り付けの追加ご依頼がありました。このページの最後にその様子を掲載させていただきました】

弦待避

1. 現在装着されている弦を待避させておきます。
2. ネック部に傷を付けないように緩衝材で保護し固定します。

トップ板クラックの状況確認

1. サウンドボード横に約10cmにわたってクラックが入っています。
2. ボディ内部の様子です。ブレイシングをまたいでクラックが入っているのがわかります。

ナット取り外し ~ ナット溝クリーニング

1. 木槌でコンと軽くたたくとナットはすぐにはずれました。
2. 古い接着剤がかなりたまっています。

3. 彫刻刀ですりすり、こすって汚れと古い接着剤を

トップ板 表面のクラックリペア

1. タイトボンドをクラックに沿って流していきます。
2. 後でふき取れますので、多めに乗せます。

3. クラックに刷り込むようにボンドをふき取っていきます。
4. ボンドが乾き始めないうちに手早くふき取りましょう。

5. きれいにふき取れました。

トップ板 裏面補強板の接着

1.  2本の補強材を接着した後、クランプで固定していきます。
2. 内部のクランプ固定状態は拡大すると、このようになっています。

3. もう一本の補強材も同様にクランプします。
4. ボンドが完全に乾燥し、クランプをはずしました。

5. クラックはほどんど目立たなくなりました。
6. 補修後のボディ内部の様子です。

ナット作製

1. オリジナルナットの大きさを参考にTUSQナットスラブに
2. ナットスラブの切断です。TUSQ素材は粘っこい性質があります。

3. 切り出し終わったTUSQ素材ナットです(左)。
4. オリジナルナットは「箱形」でしたが、今回は放物曲面を削り出します。

5. 曲面を削り出し終えたTUSQナットです(左)。
6. オリジナルナットを参考に、弦溝をマーキングしていきます。

7. 弦溝を彫り込んでいきます。

ブリッジピン穴加工

1.. ミニルーターでブリッジの弦導出口をサドル側に寄るように
2. 弦の導出位置がサドル側に寄りました。これでサドルへの

サドル作製

1. オリジナルサドルを参考にTUSQサドルスラブに切取線を
2. TUSQサドルスラブのカッティングを行います。

3. 切り出されたTUSQサドル(左)とオリジナルサドル(右)です。
4. サドル底面の平面を出します。この工程は音響特性に大きく影響を与えますので、慎重に行います。

5.. サドル山を削り込んでいきます。
6. サドル完成です!ブリッジにピッタリフィットしています。

ピックアップ取り付け

1.こちらが新たに取り付けるピックアップです。
2.ストラップピンをはずし、マスキングテープで保護します。

3.12mm径のドリルで穴を大きくします。
4.穴加工完了です。

5.エンドピン取り付け完了です。
6.ピックアップも取り付け完了です。