ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Westone W-80

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岡山県にお住まいのKさんから、Westone W-80の

・6弦ビビリ解消(弦まわり部品をTUSQ化)
・弦高調整
・ピックアップ取り付け

作業ご依頼がありました。

約30年前Kさんが学生時代にアルバイトをして購入された、思い入れのこもったギターです。現在、Kさんは老人ホームなどをこのギターと一緒にまわって演奏されているそうです。

ボディ素材は非常に贅沢なものを使用しており、リペア後、素晴らしい音色を奏でてくれました。
また、今回装着しましたTakamine Tri-Axも弦の振動だけではなく、ボディ内の響きをうまく拾ってくれて、いわゆる「エアー感」のある音を出力することができました。

ギター引き取りに来られたKさんから暖かいメッセージが届きました。Kさん、ありがとうございました。

今回はリペアありがとうございました。早速音色を楽しんでおります。Guitarは生き物であることを再認識いたしました。
まさか、劇的な変化になるとは思ってもおりませんでした。(失礼)
あまり、音楽に関心の無いお袋までも、音が違っていると違いがわかったくらいです。
ピックアップも、生音に近い状態で非常に満足しております。
色々と有難うございました。


弦待避~ナット溝クリーニング

1. 最初に準備作業として、現在張られている弦を待避させます。
2. ナットをはずしました。長年の汚れと、古い接着剤が溝にたまっています。

3. 彫刻刀で汚れと接着剤を削っていきます。

ピックアップ取り付け

1. ピックアップのエンドピンジャック加工のため、ギターボディを
2.. オリジナルのエンドピンをはずします。

3. エンドピン・ジャック径は12mmですので、それより少し大きめの
4. ボディ側のエンドピン穴はマスキングテープを貼って塗装保護します。

5. ドリルで穴を開け始めます。
6. 貫通するまでドリルの回転は止めないようにします。

7. 穴が貫通しましたら、一旦掃除機でくずを吸い取ります。
8. ジャック穴が完成しました。

9. ボディ内側からジャックを取り付けます。
10. 外側からナットとワッシャーでジャックを固定します。

11. その外側からアウターリングを取り付けます。
12. サウンドホールにピックアップを取り付け、エンドピンジャックと結線すれば、ピックアップ取り付け完了です。

ブリッジピン穴加工

1. ブリッジ保護のため、ミニルーターでブリッジピン穴から弦を導く溝を加工します。
2. 加工完了後のブリッジピン穴です。

サドル作製

1. TUSQ素材から削りだした新しいサドル(手前)と
2. ブリッジに装着された新しいTUSQサドルです。

ナット作製

1. 弦サドルと同様にナットもTUSQ素材から削りだしていきます。
2. 大まかに削り出し終えたところで、弦溝を掘っていきます。

3. ナットに弦溝を掘り込んでいきます。弦高調整しろを
4.  弦溝が掘り終わった新しいTUSQナット(左)とオリジナルナット(右)です。

弦高調整

1.  直定規をナットとサドルの間に置き、フレットからの高さを
2. 最初に待避しておいた弦を張り直し、弦の鳴りを確認しながら弦溝を調整していきます。