ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

YAMAHA FG-700

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石川県にお住まいのK.H.さんからYAMAHA FG-700のリペアご依頼を受けました。
このギターはK.H.さんの学生時代からの想い出がたくさん詰まったギターです。
今回、フレットの打ち直し、弦周り部品のTUSQ化を行うことで、ギターを蘇らせることができました。

このギターはK.H.さんが甥子さんに譲られるとのことで、今回リペアを行うことにされたそうです。

リペア後の音色・弾きやすさは素晴らしいの一言です!
蘇ったこのギターは、きっと次の世代でも大活躍すると思います。

K.H.さんから下記のメッセージが届きました。喜んでいただけると、私も幸せです。ありがとうございました。

見事に蘇りましたね~感激です、ぼろぼろだったギターも
こうして蘇り次世代にまた弾き継がれて行くと楽器といえど生き物の様に感じます、

ホームページを拝見してなるほど納得いたしました、樋口様の職人魂がギターを蘇ら せるのだと感激いたしました。これで甥っ子にプレゼントできます、
少し迷います よ、これだけ弾きやすく音もバランス良くなると<笑>


フレット打ち直し~すりあわせ

1. こちらがリペア前のフレットの状態です。
2. フィンガーボードをオレンジオイルを含ませた後、ドライヤーで暖めながらフレットを抜いていきます。

3. フィンガーボードを傷めないように、
4. 一本一本、丁寧に抜いていきます。

5. こちらがフレットを抜いた直後のフィンガーボードです。
6. 軽くサンディングして、汚れを取り去ります。

7. ここで一旦、フレット溝の中のゴミを掃除します。
8. フレット打ち込み前のフィンガーボードです。とてもきれいになりました。

9. 14フレット以降の打ち付けは、ボディ内部保護のために、
10. フレットを少し長めに切って、打ち込んでいきます。

11. 全てのフレットの打ち込みが終わりました。
12. フレットの余分な部分をカットしていきます。

13. フレットの切り落とした部分は角が鋭く、
14. 専用のファイルでフレットサイドの角度をつけていきます。

15. フレットは見た目よりも柔らかいので、ゆっくり、
16. 一旦、ここで削り粉(金属)を掃除します。

17. これからフレットすりあわせ工程に入っていくのですが、
18. マスキング完了です。ボディ部分はアクリル板で保護しておきます。

19. フラットファイルですりあわせていきます。このときも
20. フレットの角を取る、専用のファイルでフレット頭を丸くしていきます。

21. 紙ヤスリでファイリングしていきます。
22.  次は研磨スポンジで磨きます。

23.  コンパウンドでさらに磨くと、ピカピカのフレットになります。
24. マスキングテープをはがしていきます。

25. フレットメンテナンスが終了しました。
26. きれいになりました。

ナット溝・サドル溝クリーニング

1. 古い接着剤と一緒に、たくさんのゴミが入り込んでいます。
2. こんなにたくさんの付着物があります。

3. きれいになりました。ナット装着、準備OKです。
4. はがれてかけているバインディングを接着リペアします。

5. サドル溝にもゴミがたくさん入っています。
6. こちらもきれいになりました。

ナット作成

1. TUSQ素材にオリジナルパーツよりも少し大きめの
2. 切り取り前のTUSQパーツとオリジナルパーツです。

3. 切り取り後のTUSQパーツとオリジナルパーツです。
4.ナットのネック接触面を平面に削り出します。

5. 徐々にTUSQナットを削り込んでいきます。
6. オリジナルよりも少し丸みをつけてみました。

7. 弦溝をオリジナルナットとナット定規を使って
8. 弦溝を掘っていきます。

9. 弦高調整前の完成したTUSQナットです(後ろ)。

サドル作製

1. サドルはブリッジとの接触面を平面にしていきます。
2. 上が出来上がったTUSQサドルです。

3. ブリッジにピッタリとはまりました。