ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Takamine DSP022Af

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兵庫県神戸市にお住まいのK.M.さんからTakamineアーチトップ・ギターのTUSQ化改造、およびブリッジピン穴加工のご依頼を受けました。
K.M.さんはアコースティック・ユニット「らんぷ」のギタリストです。

このギターは通常の流通ルートでは入手できないもので、非常に美しいボディが印象的です。

また、アーチトップギターの低音が特徴的です。

リペア・調整後にK.M.さんが工房にお越しになり、 その後次のメッセージをいただきました。

K.M.さん、今回は大変勉強になりました。ありがとうございました。

この度は、お世話になりました。

やはり、TUSQ化することにより、調整する前に「こういう音」になったらい いのになぁ!という音そのものになったことに、驚きと喜びを感じております。

本当に、ありがとうございました。


弦待避・準備

1. 最初に張られている弦の待避を行います。
2. まず、トラスロッド・カバーをはずします。

3. マスキング・テープをネック部分に張ります。
4. この部分は特に傷が付きやすいのでもう一重テープを貼っておきます。

5. そして緩衝用のスポンジを弦とネックの間に挟みます。
6. 弦をスポンジでサンドイッチにした後、インシュロックタイで弦を固定します。

7. 次にフィンガーボードにもマスキングテープを貼ります。
8. 弦をブリッジ側からはずした後、束ねてネック部分に固定します。ここでも、弦はスポンジで巻いておきます。

9. スポンジをマスキングテープで固定します。

ブリッジピン穴加工

1. ブリッジ割れ防止のため、ピン穴に弦誘導の溝を掘ります。
2. こちらが加工済みのブリッジピン穴です。

ナット溝クリーニング

1. このギターは新しいので汚れはありませんが、
2. 彫刻刀で固着した接着剤を削っていきます。

3. 接着剤のとれたナット溝です。これで準備OKです!

ナット・サドル作製

1. 加工前のTUSQ素材(左上下)、そしてオリジナルの
2. おおまかにTUSQ素材を切り取ったところです。

3. ナット・サドルのギター接触面の平面を作っていきます。
4. こちらが出来上がったサドルです。左側がオリジナル、右側がTUSQです(オリジナルより1mm低く作っています)

5.  TUSQサドルをブリッジに取り付けました。
6. 次はナットです。オリジナル(手前)は直方体形状ですが、TUSQ版は放物面に仕上げます。(ペグ側斜面)

7. なめらかな放物面になりました。
8. ナット溝にぴったりはまりました。

9. 弦溝を彫り込んでいきます。
10. 完成したナットです。