ギター工房オデッセイ

Odyssey Guitar Craft

Morris W-18(1975)

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徳島県在住のサイさんからギターリペアのご依頼をいただきました。

このギターはサイさんが中学生の時に購入された、想い出のたくさんこもったギターだそうです。

今回のリペアでは、弦まわり一式(ナット交換、サドル交換、フレットすり合わせ、ペグ交換、ブリッジピン交換、弦高調整、弦交換)を行いました。

1975年製のギターは、とても贅沢な素材を使用しておりますので、弦まわりのリペアだけでかなりの音の改善が見られました。

また、フレットすり合わせと弦高調整も同時に行いましたので、弾きやすさも格段に良くなりました。

リペア後、ギターをお引き取りに来られたサイさんから、メッセージをいただきました。
私もとても満足していただいて、本当に嬉しい限りです。

サイさん、この度は当工房をご利用いただき、誠にありがとうございました。

正直もともと中学生当時の初心者用なので、あまり期待してもしょうがないと思っておりました。
しかし弦廻りをリペアしていただいただけで、つまった音だったのがはっきりした音になりました。
おかげ様で現役復活でまた末長く弾きたいと思います。
いろいろ無理を聞いていただき有難うございました。


1. ナットを取り外してみたところ、長年の汚れと朽ちた接着剤
2. ネック側にも汚れと接着剤が残っています。

3. 彫刻刀で接着剤を削り取っていきます。
4. 汚れと接着剤を取り除き終わった状態です。

5. TASQブロックからオリジナル・ナットを参考に削り出しを
6. 新しく削り出したナットと、フィンガーボードおよびネックとの

7. 仮固定したナットに弦溝加工用のけがきを入れていきます。
8. けがき線がオリジナルと同じであることを、並べて確認します。

9. けがき線に軽く仮溝をほっておきます。この仮溝がないと

フレットすり合わせ

1. マスキングテープでフィンガーボードをカバーします。
2. フラットやすりでフレットを削っていきます。弦との接触で

3. ある程度フレットが平坦になってきましたら、フレット先端が
4. 弦方向のファイリングが終わりましたら、今度は角張った

5. 粗削り最終段階として、紙ヤスリで磨き、その後、
6. フレットすり合わせが完了しました。ピカピカ☆しているのが

サドル削り出し

1. TASQサドルブロックからだいたいの形を切り出した後、
2. 新しいサドルがうまくフィットするまで、削り出しを行います。

3. 手前が新しいサドルです。少し高め(0.5mm程度)にしておき、

ブリッジ・ピン穴加工

1.この写真と次の写真(右)がリペア前の状態です。
2.かなり錆ついているのが、おわかりになりますでしょうか?

3. ペグ穴が小さいので、リーマーで穴加工しています。
4.ネック裏側の古いペグを止めていたねじ穴を埋めます。

5.これでネックの裏側が綺麗になりました。
6.新しいGOTOH製のペグを取り付けました。

7.新しいペグに弦を巻き付けました。チューニングも非常に