Martin D-18V
戻る 大阪府にお住まいのN.H.さんからMartin D-18Vのリペアご依頼をいただき、ネックリセットを含むトータル・リペアを行いました。ご帰宅後N.H.さんからリペア後のギターへのとても温かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 樋口さま
先日は引き取り時の送り迎え、お世話になりました。
この1週間ほど、ギターを弾く度に音の向上を改めて知り、今回リペアをお願いして本当に良かったと感じています。
まず、依頼時にもお伝えした4〜6弦の音のこもり、詰まりが全く無くなり、芯や張りのある音像になったこと。
コードを弾いた際、まるでピアノで和音を押さえた時のように一音一音が明瞭かつ、まとまって聴こえることを感じました。
アルペジオなど単音の際には倍音と言うのでしょうか、音にきらびやかさが生じており、持続音も増して、とてもきれいな響きになっています。
音量も以前より大きくなり、力まずともパワフルな音が出しやすくなりました。弦高もとても楽に弾けるようにして下さり、長時間でも左手に疲れが出ませんでした。
書き出せば切りがない程、たくさんの発見があり、これまでいかにひどい状態のギターを弾いていたかを痛感しました。
新しく生まれ変えさせて下さったこのギターを大切にしていきます。
受取り時、工房で最初に弾いたEmの感動は絶対忘れません。
本当にありがとうございました。
N.H.さん、とても暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
リペア前のギターを試奏させていただいたい時、弦高の高さはネックリセットで修復できるだろうと思いましたが、その音色は私が経験した中でもこもり度合いが群を抜くものでした。
果たしてリペアを行うことでどこまで改善されるのか少し不安もありましたが、工程を進めていくうちにリペア後に得られる本来のギターの響きをイメージすることができるようになりました。
やはり最もそのインパクトがあったのはネックとボディの隙間に埋められているシムが紙であることを見つけたときでした。
ギターはボディとネックが一体になって全体から振動を発することで本来の音色を持つことができますが、紙のシムではボディとネックが完全に二つのパーツとなってしまっていました。
リペア後は本当に素晴らしい音色を奏でるギターに変身してくれました。
たとえるなら「AMラジオ的」な音色だったのが「FM的」も超えて「ハイレゾ音源的」な響きになったような感じでしょうか。
リペア後のギターにご満足いただけて、私もとても嬉しい気持ちでいっぱいです。
これからも蘇ったD-18Vとともに素晴らしいギターライフをお送りください。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。