Martin HD-28 custom

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樋口様

お世話になりました。Y.O.です。

昨晩，しっかり弾いてみました。

まず驚いたのは，「音」です。
今まで，高音がちょっとペンペンした音でしたが，
見事に，厚みのある音に復活していました！

合わせて，高音の音量も大きくなっているので，
ピックアップを通したときも，バランスが良くなっていると思っています。
（今まで低音を落としてバランスとっていました）

それから，「ピッチ」です。
最初に診ていただいたときから指摘されていた
フレット音痴が，きれいに直っていました。

今まで高域フレットでのコードを弾くと
微妙に？？感があって，押さえの強弱で調整していました。
今は自然に押さえられるので，変な力が入らず、とても弾きやすいです。

しっかりした音が，無理な力を入れなくても出るように
なったので，とても弾きやすくなりました！
（もちろん弦高もバッチリなためです。）

本当にありがとうございました。
これからも大事に弾いていこうと改めて思いました。

今度，ピックアップを通した音が楽しみです。

Y.O.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。

リペア前のギターを受け取って試奏させていただいた段階で、下記の3点が気になりました。

1）弦高の高さによる演奏性の悪さ（弾きにくさ）
2）ハイポジションになるにつれて発生するピッチずれ（フレット音痴）
3）こもりがちな音色

Y.O.さんのご感想の通り、リペア後は上記3点ともに大きく改善、あるいは解消されて、ほぼ完璧なギターとなりました。
リペア後のギターにご満足いただけて、私もホッと安心するとともに、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。

1）はネックリセットを行うことにより、適正弦高調整範囲を確保できるようになりました。
2）はサドル位置をボトム側に移動することでピッチ確保は可能なのですが、ブリッジピン穴位置にサドル溝が近接する結果となるのと、ボディ内ブリッジプレートもリペアすることもあって、サドル溝＋ブリッジピン穴位置をブリッジ位置内で全体に約5ｍｍ移動するべく、ブリッジ新規作製・交換をご提案させていただいた次第です。

これら2つの大きなリペア項目は、ネック取り付け角度調整とブリッジピン穴位置、そしてサドル高が複雑に絡み合う難易度の高いものでした。
3）の音響特性は上記2項目が理想的な状況で実現した後、フレット山形状整形とナット・サドル素材、および弦の振動を最大限ボディに伝搬できるような弦の接触状態を作ることで大きく改善することができました。

今回のリペア工程途中ではボディとネックが分離した上で、ボディからブリッジも離れた状態がしばらく続きましたので、リペアと言うよりもギターの再作製・再構築という気持ちで作業に向き合うことができました。

リペア後のギターを発送するまでの間、心ゆくまで試奏を楽しませていただきました。
このような貴重な機会を与えていただいて、本当にありがとうございました。
蘇ったHD-28 customが末永くY.O.さんの傍らで活躍し、素晴らしいギターライフのパートナーであり続けますことをお祈りしております。

この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。