Martin D-18
戻る 北海道にお住まいのTHMDIさんからMartin D-18のリペアご依頼をいただき、ネックリセット、ブリッジ脱着、サドル溝再加工を含むトータルリペアを行いました。リペア後のギターを受け取られて、THMDIさんからとても暖かいメッセージが届きました。
ギター工房オデッセイ 樋口 様
直していただいたギターの音ですが、修理前に比べ、非常に良い音になりました。
到着してから2日間は、正直、ちょっと若返ったかなという印象でしたが、3日後から音がみるみる変わってきて、現在は、かつてない一番いい音で鳴っています。
最初の2日間は、到着したころのこちらの外気温がー5℃以下、室内が20℃くらいのため、輸送によってちょっと風邪をひいたような状態だったのかもしれません。
このギターは、新品から1年くらいで音が変わり、4年目くらいで良い音になったことを覚えています。
こうした音の成熟のような変化を、わずか1週間たらずで確認できたことについて、非常にびっくりしています。
手にして最初の十数年はフレットがすり減るまで弾きこみ、修理が必要だなと思いつつ、その後十数年ケースで眠り、数年前から再び弾き始めたところ、傷みはフレットに留まらない状況でしたが、こうして33年経ったところで樋口さんにすべて直していただける機会を得ることができて、すごく幸運だったと思います。
音程もびたっと合い、楽器の体を取り戻し弾き心地が良くなり、音も良くなったことについて、ギター工房オデッセイさんの高い技術力に敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。
また、こちらの無理難題に快く対応していただきありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
THMDIさん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。
リペア前のギターはネック元起き、ブリッジ浮き、ブリッジプレート経年消耗、フレット消耗など、年季を語る症状を呈しており、演奏性には問題のある状態でした。
一方、ビンテージギター特有の深い響きはありましたが、音の輪郭がぼやけており、中音域のみが際立つような音色でしたので、弦の振動を出来る限り有効にボディやネックに伝搬できるよう、リペアをさせていただきました。
リペアの大きなポイントは、ネックとボディの接合状態の改善(ネックリセット)とブリッジとボディの接合状態の改善(ブリッジ脱着)で、これらの処置を行うことで弦の振動を受け入れる準備をボディ・ネック側で整えることが出来ました。
後は弦に直接接する部分(ナット、サドル、ブリッジ・プレート、ブリッジピンなど)から木部に接触する部分に隙間をなくすことで、ギターのパフォーマンスを最大限発揮できるようになったと感じております。
30年以上前に製作された、ビンテージギターをリペアさせていただく機会をいただき、心から感謝しております。
今回蘇ったD-18と一緒に素晴らしいギターライフをお送りされることを心からお祈りしております。
この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。